ウォーター・フットプリント概要

身近な商品やサービス等にどのくらいの量の水が使われているかを知るためには『ものさし』が必要です。

また、その使用した水が採取した地域や国の水資源にどの程度の負荷を掛けているのか、更には、水を介した環境汚染がどの程度あり得るのか、これらの『ものさし』が、ウォーター・フットプリント(*)です。

 

(*)ウオーター・フットプリントは、原材料調達から、生産、破棄、リサイクルまでの商品一生分の水使用量を算出し、水資源への負荷を定量化する手法です。

 

『少しでも水の現状に気がついて。考えてもらいたい』 これが私達からのメッセージです。

環境影響の最大の死因は水

資生堂大橋氏提供
資生堂大橋氏提供

環境影響最大の死因は水です

 

右図は水が要因とする死因の損失余命を表したものです。世界全体の中でも12.3%を占め、エイズを要因とする損失余命の何倍にもなることがわかります。日本は衛星状況が整っており、水が要因で『死』を連想することは難しいですが、これが実情なのです。

 

このような水が環境へ及ぼす影響を考察する手段の一つが、Water Footprint(水の足跡)なのです。

水は限りある資源である

水は限りある資源…



皆さんは地球上にある水のうち、人間が使うことのできる水の量を考えたことがありますか?

地球上に水は約13億8600万k㎥あると言われています。そのうち淡水はたったの2.5%です。

 

しかしながら、その淡水すべてを使えるわけではありません。それらの淡水は、氷河や永久表土層または地下の帯水層に蓄えられており、わずか0.4%しか人は利用することができないからです。

水の地域偏在(水ストレス)

 

日本は世界的にみて水に恵まれた国であると感じたことはありませんか?水道をひねれば気軽に水を手に入ることが可能ですし、海に囲まれた島国であることが理由かもしれません。


しかしながらこの認識は間違っています。日本国内でも毎年、夏に節水または、断水に直面する市町村(例 松山市)も多々あるからです。これは水の取水量が淡水の供給量を上回ってしまうからです。この水の利用に支障が発生する状態を『水ストレスが高い』状態と言います。

 

では世界的にはどうでしょうか? 日本よりもさらに水ストレスが高い地域があることが、上図の水ストレスマップより把握できます。

 

このように水の各種問題にどのように対応・改善を図っていくか、その方法の一つが、Water Footprint(水の足跡)なのです。

例えばトウモロコシで考える

2014年5月1日の米国科学誌サイエンスに『遺伝子組み換えや作付け技術の向上のおかげで、トウモロコシの栽培量を従来よりもさらに増やすことが可能になっているが、同時にトウモロコシの干ばつに対する耐性がますます低くなっている』と米スタンフォード大学(Stanford University)のデービッド・ロベル(David Lobell)氏率いる研究チームが論文で発表しました。
「高密度に作付けされたトウモロコシは、予想外に水不足の影響を受けやすくなっているように思われる」とのことです。

水不足が進む地域での作付けを止め、水が豊富な地域にシフトが叶うなら、この問題は簡単に解決しそうですが、産業として栄えた今、シフトは簡単なことではありません。
また、水不足に耐性を持った遺伝子組換えトウモロコシの開発も危惧されます。
このように水が原因で生態系や自然環境破壊の側面を考えることが可能なのです。
また水の採取地をグローバルで考えていかなければ、世界全体での水資源の保全には繋がらないことを理解して欲しいのです。